埼玉工業大学・臨床心理センターは、JR高崎線岡部駅近くに開設されて以降、大学院、大学心理学専攻の教育・研究施設として、心理学の教育研究を推進してきました。また、その成果を還元することもセンター開設の大きな目的のひとつです。地域住民の方々を対象にした心理学セミナーの開講や心理相談室を設置するなど、これまでに北関東にはなかった、地域に根ざした臨床心理センターを目指しています。
本学では臨床心理士の資格を持つ教員を中心に、臨床心理学分野の教育研究に力を注いできました。平成19年度には、大学院人間社会研究科の臨床心理学教育研究分野が臨床心理士養成課程(第1種)の指定を受け、臨床心理士などの育成機関としても期待されています。
臨床心理センターは、本学における心理学の教育研究をより推進し、その成果を地域の方々に還元する目的で設立されました。ここでの活動は大きく分けて3つあります。一般の方を対象にした心理相談、心理学セミナーの開催、学生・院生の臨床実習の場としての働きです。
心理相談室は、心の悩みを抱えた人に個別相談を行い、悩み解決のお手伝いをします。臨床心理士の資格を持つ本学心理学科の教員とカウンセラーが担当していますが、基礎訓練を受けた大学院生が、教員らの指導のもとで相談にあたることもあります。
心理学セミナーでは、一般の方が日常生活に応用できる内容を取り上げています。これまでにカウンセリング入門、脳と心の話、子育て支援の幼児グループ活動、箱庭療法の体験、ストレスマネジメント、臨床心理学・精神医学から現代の非行・犯罪を考えるなどのテーマで開講し、地域に住む多くの方が受講されています。将来的には、セミナーを受講された方が活動の核となり、地域の皆さまが、健康に安心して暮らせるシステムづくりも構想しています。
現代社会は、多くの人が人間関係や子育て、ひきこもりなど、多様な心の問題を抱えている時代です。地域の方々の悩みを少しでも緩和し、健康な人はより健康になれる、そんな臨床心理センターを目指しています。