(写真:研究材料の芳香性シクラメン野生種)
秋田研究室に所属していた三上さん(昨年度博士後期課程終了)が筆頭著者の研究成果が、The Horticulture Journal(Hort J.)に掲載されました。
タイトル:Identification of a Functional Flavanone 3-Hydroxylase Gene in a Fragrant Wild Cyclamen Species (Cyclamen purpurascens)
論文情報はこちら → J-STAGE
Hort J.は、日本の園芸学会が出版しており、花きだけでなく、野菜や利用、施設園芸といった様々な園芸学分野の研究を網羅する国際(英文)誌です。
今回は、芳香性シクラメン野生種(Cyclamen purpurascens)からアントシアニンの生合成に重要な酵素であるflavanone 3-hydroxylase(CpurF3H)をコードする遺伝子を単離し、発現解析や機能解析を行なったことで、CpurF3Hが花色の生合成に関与していることを示したものとなります。
この酵素をシクラメン属植物より初めて同定したことになり、シクラメンの花色育種に大きく貢献する成果となります。
また、F3Hは花色以外の形質にも関与することが知られており、遺伝子の「機能多面性」という、基礎的な研究にも寄与する重要な成果となっています。
本研究は、日本科学協会・笹川科学研究助成(2020-5015)、ロッテ財団・奨励研究A(LF000569)およびJSPS科研費(24K08899)の支援によって行われました。
秋田准教授のコメント:
我々の研究成果が、歴史ある園芸学会の国際誌に掲載されたことを非常にうれしく思います。
研究を頑張ってくれた三上さん、共同研究者の北村さん(QST高崎)に感謝です!
我々の研究室にある芳香シクラメンは、世界的に見ても貴重な材料であり、花の色だけでなく香りの研究にも有用なものです。
今後は色だけでなく香りの研究も進めていき、「埼玉工大の学生さんたちとの研究成果」をどんどん論文発表していきたいと思っています!
秋田研究室(植物ゲノム工学研究室)HP → https://www.sit.ac.jp/user/akita/