日本は資源に乏しいため、多くの資源を輸入に頼っています。これらの資源を利用することで様々な製品を作り出し、豊かで便利な生活を送っています。役割を終えた製品は廃棄され、「ごみ」や「廃棄物」として扱われることになります。
かつての日本は、モノを大量生産、大量消費、大量廃棄する社会でしたが、しだいに廃棄物問題が大きな課題となってきました。国土が狭い日本では、廃棄物を埋め立てる最終処分場の残余容量に余裕がなくなってきており、廃棄物の排出量を抑制する必要があります。また、限られた資源を有効に利用するためにも、廃棄物をリサイクル(再資源化、再利用)することが、今後ますます必要になってきています。
3Rとは
リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の頭文字をとった言葉で、「スリーアール」または「さんアール」と読みます。地球の資源の無駄遣いをなくし、廃棄物を減らすための大切なキーワードです。頭文字は全て“R”ですが、順番は決まっていて、優先順位の高い順に並べます。一つ目のRはリデュースであり、ごみの量そのものをできるだけ減らすことです。例えば、必要ないものは買わない・もらわない、買い物にはマイバッグを持参してレジ袋を使わないなどの行いで、リデュースすることができます。二つ目のRはリユースであり、使えるものをゴミにしないで、繰り返し使うことです。例えば、繰り返し使えるガラス瓶に入った商品を購入し、使用後にガラス瓶を返却することがリユースすることにつながります。そして、三つ目のRはリサイクルであり、ごみを資源として再び利用することです。ごみを分別してゴミ出ししたり、使い終わった家電をお店や製造メーカーに引き取ってもらうことでリサイクルすることができます。意外かもしれませんが、リサイクルは3Rの中で優先度は最後の3番目なのです。これは、リサイクルするためには、廃棄物を回収してから再生させるまでのプロセスに、収集運搬費や人件費などコストやエネルギーが少なからず必要になるからです。そのため、ごみの発生や資源の消費をもとから減らすことができるリデュースが、一番重要なことに位置付けられています。
リサイクル例
~アルミ缶はどうやってリサイクルされるのか?~
現在では数多くのものがリサイクルされるようになりましたが、その中でもアルミ缶のリサイクル率は92.5%にも達します(2017年度 アルミ缶リサイクル協会)。分別回収されたアルミ缶はスクラップされたのちに高温で溶かされ、再びアルミ缶などの様々なアルミ製品に生まれ変わります。アルミニウムはもともと原料鉱石のボーキサイトから多量の電気を使って製造されています。しかし、アルミニウム製品からリサイクルによってアルミニウムを再生すると、ボーキサイトからの生産に必要なエネルギーの約3%しか使わず、大幅なエネルギーの節約になります。そのため、経済面、環境面でリサイクルは有効であり、例えばアルミ缶1kgをリサイクルすると、エネルギー(石油)使用量は2.5リットル、二酸化炭素発生量は8.6キログラム削減する効果があります(環境省 3R行動見える化ツール)。
文責:本郷 照久(教授) https://www.sit.ac.jp/laboguide/kougaku/seimeikankyou/#hongo