ハス(蓮)とその利用

学内の日本庭園にある池に、ハスが咲いていますね。
今回は、このハスについて紹介します。

ハス(Nelmubo nucifera
科名:ハス科ハス属
英名:Lotus
原産地:インド
花言葉:清らかな心・神聖

水の中の地中に塊茎(地下茎が肥大したもの)を持ち、水面から1~2mほど伸びた茎の先に大きな丸い葉を展開させ、葉の間から茎を伸ばして花を咲かせます。
原産地でもあるインドでは、国花にもなっています。
仏教ではとても大切な花で、仏教画では、仏陀がハスの花の上に座っている姿が描かれていますね。これを蓮華座(れんげざ)と言います。

塊茎はレンコンとして食用にもなりますが、花や茎、未成熟の種なども、食用として利用されています。
「ハス(蓮)・料理」で検索しても面白いですよ。

ロータス効果について
ハスの葉は、表面に乗った水滴を浸透させずに落とす作用があります。
これをロータス効果と言います。


(花の左下にある葉に、水が乗っています)

ハスの葉の表面は非常に細かい立体構造となっていて、表面についた水を弾きます。さらにワックスも塗られているため、水は滑りやすくなり、表面張力によって丸まった水滴となり、泥や小さい昆虫といった異物を絡め取りながら葉から転がり落ちます。
つまり、ロータス効果は、ハスにとって葉をきれいにするための自浄作用を担っています。

ロータス効果の利用
ロータス効果はナノテクノロジーに応用されていて、屋根材や布などの表面にロータス効果を再現させ、乾燥したきれいな状態に保つ役割を期待されています。
他にも、森永乳業さんが東洋アルミニウムさんと共同で「トーヤル・ロータス(TOYAL LOTUS)」という撥水性の包装材を開発し、ヨーグルトの蓋に利用されています。
これによって、ヨーグルトが蓋の裏につかなくなりました。
森永乳業HP→4ポットヨーグルト史上初!ヨーグルトが付着しにくいフタに!

これからは、ヨーグルトの蓋の裏を舐めて、「意地汚いからやめなさい!」と親に怒られることもなくなりますね(笑)。

文責:秋田祐介(准教授)https://www.sit.ac.jp/laboguide/kougaku/seimeikankyou/#akita

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