食を職にする(その1)

衣食足りて礼節を知る
寝食を忘れる
食指が動く

「食」にまつわる慣用句はたくさんあります。
人はもちろん、すべての生物は「食べる」ということをしないと生きていくことはできません。どんなにテクノロジーが進化しても、「食べる」ということが無くなることはありません。そんな「食」にまつわる仕事について、今回はお話しします。「食」は非常に多くの分野がありますので、何回かに分けて紹介したいと思います。

「食」に関わる業種として真っ先に浮かぶのは、「食品」メーカーだと思います。
その食品メーカーにもいろいろなジャンルがあります。

飲料
製粉
調味料・香辛料
お菓子
パン
健康食品
冷凍食品
加工食品
精油

これらはほんの一例です。
たくさんのジャンルがありますね。
気になる人は、それぞれの代表的な会社を調べてもいいでしょうね。

このような食品メーカーでは、どのような仕事があるでしょうか?
営業や総務といった仕事ももちろんありますが、ここでは理系らしく、研究で身につけたことを活かせる研究職・専門職について挙げてみます。

基礎研究:新たな知識や法則、現象を解明する研究です。
応用研究:基礎研究で解明した事象を、商品や生産に活かす研究です。

これら2つの研究職は非常に大切なものですが、短期的な利益にはつながらず投資にお金もかかるため、人数が限られており狭き門となっています。
もし研究職を目指すのであれば、早めに情報収集をするようにしましょう。

他にも必要な専門職があります。

生産技術:生産プロセスを改善し、製品の品質や生産性の向上を目指します。
品質管理:製品の品質維持のために、品質に関するデータの収集や分析を行います。
安全管理:安全の確保のために、製造プロセスの設計やチェック、安全教育を行います。
環境対策:省エネ対策や排水処理方法の検討といった、環境に配慮した製品生産を支援します。

たくさんの研究や専門職が集まって、食品はできていることがわかります。

こういった研究職・専門職に必要な知識やスキルには、生命環境化学科の授業で得られるものがたくさんあります。
例えば、品質管理に必要な測定・分析には、「分析化学」という授業が役立ちます。
栄養成分や食中毒などは、「生化学」・「植物生理学」・「微生物・ウイルス学」などから必要な情報を得られます。他にも、安全工学や環境計測など、上述の専門職に就くうえで大切な知識を身につけることができます。
また、学生実験では実際に分析機器を用いた実験もあり、スキルも身につけることができます。
生命環境化学科の講義・実験は全て「食」につながるものでもある。と言ってもいいかもしれません。

このコラムを見た後のご飯で、「この食べ物はどうやって作られたのかな?」と疑問を持ってくれたら、幸いです。

文責:秋田祐介(准教授)https://www.sit.ac.jp/laboguide/kougaku/seimeikankyou/#akita

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